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野上彰 著『前奏曲』、藤本国彦氏が編集に関わった詩集を読んで(CDブック)
2019.06.11 Tuesday | 12:52 | 芸術、映画、音楽、本

僕の本を編集してくださったこともあるビートルズ研究家の藤本国彦さんが個展に来られた時に、藤本さんが編集に関わった本をいただきました。

野上彰 著『前奏曲』(左右社)。詩人・野上彰はペンネームで、藤本さんのお父様です。昭和42年に58歳で亡くなられているのですが、生前に出版された詩集『前奏曲』などの詩や、訳詞、童謡などがこの本にまとめられています。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を初めて和訳したのも野上彰なのだそうで、それも載っています。

書籍にはCDも付いています(表紙の厚紙に収納)。野上彰の残した仕事を実際に音で聴くと、またリアルに感じられます。

訳詞をした「オリンピック讃歌」や作詞した「銀座の雀」(歌 森繁久彌)など収録されていますが、特に野上彰自身が朗読をしている「皇太子殿下御成婚に捧ぐ祝婚歌」は、まるで今もご健在のようなクリアな声なので、時間を超えたような感触を持ちました。

書籍が“和綴じ”なのも凝っています。ページをめくるだけで、時代を蘇らせる。そんな味わいがあります。

他にも詩集『前奏曲』には猪熊弦一郎の挿画があったり、草野心平、谷川俊太郎、サトウハチローらが野上彰の思い出を語るエッセイがあったりと、野上彰の全体像を知り、またじっくり読める本に仕上がっていると思います。